僕はふだん、「〜をしたい」という思いが、いつのまにか「〜をしなければならない」に変わっていることが多い。たとえば、「本を読みたい」がそれだ。読書は、映画鑑賞などと違っていつでも読むことを中断することができる。しかし、いつでも自分の意志で中断することができるという、まさにそのことによって、「読み終えなければならない」という観念が頭を離れない。この観念は、本を読むことそれ自体を躊躇させる時もあるから、僕は「本を読みたいのにもかかわらず読むことができない」というなんとも滑稽な状態になる。この状態を打開するために、僕は発想を転換してみた。
まずひとつは、一冊にかじりつくのではなく、何冊かを並行して読むことだ。そうすることで、ある一冊を挫折したとしても、そこまでメンタルをやられずに他の本に移行することができる。読めなくなった本はどんどん入れ替えていけばいい。
ふたつめは、そもそも本を読み終えることを目標にしないこと。もっと肩の力を抜いて、気楽に読もうとしてみるということだ。そうすると、なぜだか、不思議と本を読み終えることができるのである。これは不眠の夜に、寝よう寝ようとすると余計に寝られなくなるのと似ているかもしれない。
こんなことを考えなければ読書ができない僕は、まるで呼吸をするかのように本を読んでいる読書家の方々が少々羨ましいのだが、僕は僕の仕方で、そのつど躓きながら読んでいくのが合っているのかも、なんて思ったりもする。